尿酸とは体内で日々繰り返されている代謝活動によって産生される物質で、血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症となります。その患者数は患者数は500万人以上といわれており、そのうち7割にメタボリックシンドロームの可能性があるといわれております。
内臓脂肪が蓄積されると脂肪細胞からたくさんの遊離脂肪酸が分泌され、これが肝臓に運ばれるとプリン体の代謝が過剰になって、その老廃物である尿酸がたくさん作られることになります。
尿酸は産生と排泄によって体内で一定の値に保たれていますが、このバランスが崩れて尿酸値が7.0mg/dlを超えてくると尿酸が血液中に溶けきれなくなって結晶化が進み、この結晶が関節などに蓄積して関節炎などに至った状態が痛風です。
体内では結晶を異物として排除しようとする防御機構が働くことで炎症が起こり強い痛みを生じます。圧倒的に男性に多い病気ですが、食の欧米化や生活習慣の乱れによって近年では女性患者数も増加傾向にあります。
上記のような生活習慣の改善が基本になりますが、尿酸値が8mg/dl以上で、痛風関節炎、高尿酸血症の家族歴、種々の合併症(腎障害、尿路結石、高血圧、高脂血症、虚血性心疾患、糖尿病、肥満など)がある場合には薬物療法を検討します。
合併症がない場合には、尿酸値が9mg/dl以上で薬物療法を検討します。男女を問わず6.0mg/dl以下を目標値として治療します。