タバコは様々ながんや慢性呼吸器疾患のみならず、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患の大きなリスクとなり、タバコを吸う人は吸わない人よりも余命が平均8〜10年も短くなるといったデータも出ております。
そして多くの喫煙者が健康に悪いことを分かっていながらもタバコをやめられずにいるのだと思います。ただご自身だけでなく、大切なご家族や周りの方にも悪い影響を及ぼすことを忘れてはいけません。
タバコの煙には、タバコを吸っている本人が直接吸い込む「主流煙」と、火のついたタバコから出る「副流煙」に分かれます。実は副流煙の方が主流煙と比べてニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍と多く含まれているのです。
この副流煙を自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうことを「受動喫煙」といいます。この受動喫煙によって、がんや呼吸器疾患、心筋梗塞、脳卒中などの様々な病気のリスクが高くなり、さらには妊婦や小児にも悪影響を及ぼすことが分かっています。
⚫︎受動喫煙による大人への影響・同居する妻が肺がんになるリスクが約2倍高まる
・血圧が4mmHg上昇する
・気管支喘息や慢性気管支炎になるリスクが高まる
・認知機能障害のリスクが高まる
・うつ病になるリスクが高まる
⚫︎受動喫煙による胎児や子供への影響・子宮内発育遅延のリスクが約2倍高まる
・低出生体重児になるリスクが約1.6倍高まる
・乳幼児突然死症候群のリスクが高まる
・将来的な肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームのリスクが高まる
はい:1点
いいえ:0点Q1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
Q2.禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
Q3.禁煙したり本数を減らそうとした時に、タバコが欲しくてたまらなくなることがありましたか?
Q4.禁煙したり本数を減らした時に、次のどれかがありましたか?
・イライラ
・眠気
・神経質
・胃のむかつき
・落ち着かない
・脈が遅い
・集中しにくい
・手のふるえ
・ゆううつ
・食欲または体重増加
・頭痛
Q5.上記の症状を解消するために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
Q6.重い病気にかかった時に、タバコは良くないと分かっているのに吸うことがありましたか?
Q7.タバコのために自分に健康問題が起きていると分かっていても吸うことがありましたか?
Q8.タバコのために自分に精神的問題が起きていると分かっていても吸うことがありましたか?
Q9.自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
Q10.タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かありましたか?
合計点が5点以上でニコチン依存症と判定されます。 ⚫︎初回の診察①ニコチン依存症の判定
②一酸化炭素濃度の測定
③禁煙開始日を決定し、禁煙宣言書にサイン
④禁煙経験の確認とアドバイス
⑤禁煙補助薬の選択
⚫︎通院2〜5回目初回診察から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後に受診していただき、以下の4点に
ついて確認します。
・禁煙状況の確認
・一酸化炭素濃度の測定
・禁煙継続のためのアドバイス
・禁煙補助薬の効果、副作用の確認
タバコに対する心理的依存やニコチンへの身体的依存は簡単に克服できるものではなく、それらが禁煙の大きな妨げとなります。ですが、「禁煙したいけど自分は無理だろうな〜」という方も是非チャレンジしてみませんか?
こちらをご覧になっているということは、多少なりとも禁煙をお考えになられているのではないかと思います。今からでも決して遅くはありません。早ければ早いほど余命を取り戻すチャンスは高くなります。
ご自身や周りの大切な方のためにも是非一度ご相談ください。