⚫︎洞性徐脈 一般的に1分間の脈拍数が持続的に50回以下を『洞性徐脈』と定義することが多いです。
必ずしも病的というわけではありません。洞結節自体に異常はなく無害なケースが多いた
め、特に治療の必要がないケースがほとんどです。
⚫︎洞停止 一時的に洞結節から電気信号が発生しなくなります。
⚫︎洞房ブロック 洞結節で正常に電気信号が発生しているのに心房に伝わらなくなります。
⚫︎徐脈頻脈症候群 心房細動などの頻脈性不整脈が停止した直後に洞結節からの電気信号がなかなか再開しない状態です。
脈が遅い状態が続くと、心臓からの全身への血液供給が滞って心不全症状を起こすことがあります。また、脈が止まってしまうと、脳への血流が障害されてめまいやふらつきを起こしたり、失神してしまうこともあります。
・疲労感、息切れ、足のむくみ(心不全症状)
・めまい、失神(脳の虚血症状)
洞不全症候群は主に下記のような原因で起こります。
・加齢
・虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
・高血圧症
・心筋症
・電解質異常
・甲状腺疾患
・薬剤(β遮断薬、Ca拮抗薬、ジギタリス、抗不整脈薬、抗精神病薬)
極端に脈が遅い場合(1分間に30回程度)や上記のような症状を伴う場合にはペースメーカ植え込み手術を考慮します。
ただし脈が遅くなるようなお薬を内服している場合や、原因疾患によって脈が遅くなっている場合には、まずはそれらへの対処・治療を行った上でペースメーカの必要性の有無を検討します。