心臓の心室の壁が異常に厚くなって心臓の機能障害をきたす心筋症を肥大型心筋症といいます。高血圧や大動脈弁狭窄症でも心室の壁が厚くなりますが、このような原因を特定できないもので、難病に指定されています。
⚫︎閉塞性肥大型心筋症 右心室と左心室との間の壁である心室中隔の肥大により、心室内の血流が障害されるタイプの心筋症です。左室流出路閉塞、中流部閉塞、心尖部閉塞と様々な部位で閉塞することが知られています。
⚫︎心尖部肥大型心筋症 心尖部に限局して肥大する心筋症です。
⚫︎拡張相肥大型心筋症 肥大した心室壁が徐々に薄くなり心臓のポンプ機能不全に陥って拡張型心筋症に類似した変化を呈する心筋症です。
⚫︎薬物治療・β遮断薬
・カルシウム拮抗薬
・I群抗不整脈薬(ジソピラミド、シベンゾリン)
⚫︎ICD(植え込み型除細動器)植え込み
致死的不整脈の合併に対しICD植え込みを行います。
⚫︎経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA) 閉塞型に対するカテーテル治療で、肥大した心筋部位を栄養している中隔枝という血管にアルコールを注入して肥大心筋を焼灼します。肥大した心筋は徐々に退縮していきます。