原因不明の右室心筋の変性、脂肪浸潤、繊維化により右室の拡大や収縮不全を来たし、心不全や右室起源の心室性不整脈を呈する進行性の疾患です。遺伝子異常で起こることもあります。発症頻度は5000人に1人程度で、30歳前後での発症が多いとされています。
・心電図 不整脈の有無などを調べます。
・胸部レントゲン 心臓の拡大の程度や胸水・肺うっ血の有無など、心不全所見がないか調べます。
・血液検査 心不全の評価に有用なナトリウム利尿ペプチド(BNP)の測定をしたり、心不全による全身への血液循環の悪化に伴い、腎臓や肝臓などの機能低下がないかどうかを調べます。
・心臓超音波検査 右室に瘤形成、肥厚した肉柱、突出buldingなどの特異的な所見や右室全体の収縮低下を認めます。
・心臓MRI検査
・心臓カテーテル検査、心筋生検 ⚫︎薬物療法 患者さんの病状に合わせて以下のような薬剤を組み合わせて使用します。
・利尿剤
尿量を増やすことで心臓が拍出する血液量を減らし、心臓の負担を軽減させます。
・ACE阻害剤、ARB(降圧剤)
血圧を下げることで心臓が拍出する際の抵抗を減らし、心臓の負担を軽減させます。
・β遮断薬
心臓の仕事量を減らして負担を軽減させます。
・抗不整脈薬
⚫︎ICD(植え込み型除細動器)植え込み 心室性不整脈の合併に対しICD植え込みを行います。
⚫︎カテーテルアブレーション (カテーテルと呼ばれる管を血管から心臓内に通して原因となっている電気回路を遮断する治療)心室性不整脈に対してカテーテル治療を行います。